原著
総胆管結石症に対する胆管1次閉鎖術の検討
瀬下 賢, 香川 茂雄, 立本 昭彦, 國土 泰孝, 村岡 篤, 曽根 良幸, 津村 眞, 鶴野 正基
香川労災病院外科
1991年9月より1998年3月までの6年6か月間に当科で経験した総胆管結石症は121例である.このうち切石後に胆管1次閉鎖を施行した症例(以下,1次閉鎖群)38例,Tチューブドレナージを施行した症例(以下,Tチューブ群)80例について比較し,胆管1次閉鎖の有用性と問題点につき比較検討した. 術後合併症のうち1次閉鎖群では胆汁漏出を14.3%に認めた.Tチューブ群では瘻孔形成不全による腹膜炎を5.0%にみとめた.術後肝機能障害は1次閉鎖群5.3%,Tチューブ群5.0%であった.術後入院期間は1次閉鎖群18.5日であり,Tチューブ群の36.0日に比べ有意に短かった.1次閉鎖群はTチューブ群に比較して重篤な合併症が少なく,術後入院期間の短縮が得られた.総胆管結石症に対し胆管1次閉鎖は有用な術式であると考えられた.
索引用語
primary closure, T-tube drainage, choledocholithiasis
日消外会誌 33: 1615-1620, 2000
別刷請求先
瀬下 賢 〒713-8101 倉敷市玉島上成539-5 渡辺胃腸科外科病院外科
受理年月日
2000年6月28日
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