症例報告
短期間に増大した脾原発悪性リンパ腫の1例
津屋 洋, 波頭 経明, 佐藤 哲也, 桑原 生秀, 田中 秀典, 下川 邦泰*
関ケ原病院外科, 岐阜大学臨床検査医学*
症例は74歳の女性.右卵巣嚢腫,胆嚢ポリープの診断で経過観察中.平成6年8月28日,腹部超音波検査で脾に径20×20mmの低エコー病変を認めた.症状はとくに無く病変も小さいことから経過観察とした.10月9日再検で脾病変は38×45mmと増大していたため,精査を勧めたが本人の希望で経過観察とした.左側腹部痛が出現したため12月12日当院受診,再検で腫瘍は68×67mmと更に増大していた.腹部CT,腹部血管造影,67Gaシンチグラフィーなどの画像診断から脾原発悪性リンパ腫を疑い,リンパ節郭清を伴う脾摘出術を施行した.病理組織学的所見はmalignant lymphoma,diffuse lymphoma large cell typeと診断された. 術後化学療法は行っていないが,3年を経過した現在,再発の兆候なく経過観察中である.
索引用語
malignant lymphoma, tumor of the spleen
日消外会誌 33: 1691-1695, 2000
別刷請求先
津屋 洋 〒503-1514 岐阜県不破郡関ケ原町大字関ケ原2490-29 関ケ原病院外科
受理年月日
2000年6月28日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|