急性上腸間膜動脈閉塞症に対しinterventional radiologyを施行した2症例

坂本　和彦, 河内　康博, 宮下　洋, 久保　秀文, 長谷川　博康, 舘林　欣一郎

社会保険徳山中央病院外科

　最近当院でinterventional radiology（以下，IVR）を施行し救命しえた急性上腸間膜動脈閉塞症（以下，本症）の2症例を経験したので報告する．症例1は70歳の男性．主訴は右下腹部痛．発症約11時間後に腹部血管造影を施行し，閉塞病変に対しバルーン血管拡張術を施行した．2日後炎症所見が再燃するため開腹し20 cmの回腸壊死に対し小腸部分切除術を施行した．症例2は50歳の男性．左下肢急性動脈閉塞症治療中臍周囲痛が出現した．発症約48時間後に腹部CT，引き続き腹部血管造影を施行し，閉塞病変を認めたため血栓溶解療法を施行し再疎通をえたが，一部造影不良領域を認めたため血栓溶解剤の持続動注を開始した．翌日の再造影で改善を認めなかったため試験開腹術を施行したが腸管壊死は認めなかった．本症に対するIVRは確定診断と同時に治療可能であり有用であった．

索引用語
acute superior mesenteric artery occlusion, percutaneous transluminal angioplasty, thrombolysis with urokinase

別刷請求先
坂本　和彦　〒745-8522　徳山市孝田町1-1　徳山中央病院外科

受理年月日
2000年5月23日

PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です