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第33巻 第9号 2000年9月 [目次] [全文 ( PDF 76KB)]
症例報告

直腸より下血をきたした腹腔内異物肉芽腫の1切除例

高 賢樹, 藤岡 進, 加藤 健司, 待木 雄一, 橋本 瑞生, 石川 玲

桐生厚生総合病院外科

 初回手術後14年を経て直腸壁に穿通し,下血をきたしたガーゼによる腹腔内異物肉芽腫の1例を経験した.症例は58歳の女性,下血を主訴に受診.既往歴は14年前に子宮筋腫で子宮全摘術を受けている.術前の大腸内視鏡およびCTにて上部直腸と一塊となった壁外性の腫瘤および腫瘤の直腸粘膜面への露出を認めた.直腸の壊死を伴ったmyogenic tumorもしくはガーゼによる腹腔内異物肉芽腫の診断で低位前方切除術を施行した.手術所見では,上部直腸壁に壁外性の腫瘤を認め,炎症により周囲組織と癒着していた.摘出標本では腫瘤は一部粘膜側に露出しており,腫瘤内にガーゼが認められた.われわれが検索しえた限りでは,1965年以降,本邦でガーゼによる腹腔内異物肉芽腫が腸管内へ穿通した報告例は,本例を含め4例であった.そのうち,下血の発症は本例のみであった.これら4例に関し若干の文献的考察を加え報告する.

索引用語
retained surgical gauzes, penetration into the intestine, bloody stool

日消外会誌 33: 1714-1718, 2000

別刷請求先
高 賢樹 〒376-0024 桐生市織姫町6-3 桐生厚生総合病院外科

受理年月日
2000年6月28日

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