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第33巻 第10号 2000年10月 [目次] [全文 ( PDF 33KB)]
原著

排便障害の有無からみたRectoceleの直腸肛門内圧検査による検討

富田 凉一1)2), 池田 太郎1), 五十嵐 誠悟1), 萩原 紀嗣1), 藤崎 滋1), 福澤 正洋1)

日本大学第1外科1), 日本歯科大学外科2)

 排便障害(残便感,便秘,排便困難,会陰部重圧感など)の有無により,rectocele例(全例女性;有症状38例,無症状16例)の病態生理学的相違があるかどうかの解明を目的に,直腸肛門内圧検査法を用いて,排便異常のない女性(16例)を対照に比較検討した.その結果,排便障害の有無に関係なく,内・外肛門括約筋機能(対照に比較して,肛門管最大静止圧と肛門管最大随意収縮圧は明らかに低値),直腸貯留能(対照に比較して,直腸最大耐容量は低値,コンプライアンスは明らかに低値),直腸感覚能(直腸最小知覚量と直腸最小耐容量は高値)などの低下を認めた.そして,直腸内圧は対照より明らかに高値を示した.すなわち,rectocele例では,排便障害の有無に関係なく,直腸壁の弾性能低下に高い直腸内圧が存在していることが判明した.これらのことは,rectoceleの成因に関与している可能性を示唆するものと思われた.

索引用語
rectocele, anorectal manometry, pathophysiology

日消外会誌 33: 1758-1761, 2000

別刷請求先
富田 凉一 〒102-8158 東京都千代田区富士見2-3-16 日本歯科大学外科

受理年月日
2000年6月28日

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