症例報告
幽門保存胃切除術後に発生した胃石による腸閉塞の1例
森田 恒彦, 秦 温信, 松久 忠史, 真鍋 邦彦, 松岡 伸一, 安念 和哉, 佐野 文男
札幌社会保険総合病院外科
幽門保存胃切除術後に発症したまれな胃石による腸閉塞の1例を経験した.症例は43歳の女性.胃癌に対して幽門温存胃切除術を施行した.術後は良好に経過していたが,20か月後突然腹痛と嘔吐が出現し,腸閉塞の診断で手術を施行した.胃石は大きさ4.2×2.5×2.3cmで,回腸に陥頓していた.回腸切開により胃石を摘出した.成分は98%以上がタンニン酸で,柿胃石と診断された.幽門温存胃切除術後の胃石形成の報告は見られず,初めての報告と思われる.
索引用語
persimmon bezoar, pylorus preserving gastrectomy, intestinal obstruction
日消外会誌 33: 1799-1801, 2000
別刷請求先
秦 温信 〒004-8618 札幌市厚別区厚別中央2条6丁目 札幌社会保険総合病院外科
受理年月日
2000年7月25日
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