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第33巻 第11号 2000年11月 [目次] [全文 ( PDF 123KB)]
症例報告

非機能性膵内分泌腫瘍と鑑別困難であった膵内副脾の1例

勅使河原 修, 末永 昌宏, 武内 有城, 早川 弘輝, 内田 豊彦, 内村 正史, 野村 尚弘

名古屋記念病院外科

 術前検査で非機能性膵内分泌腫瘍が疑われたが,術中迅速病理組織学的検査で膵内副脾と診断された症例を経験したので報告する.症例は53歳の女性.99年8月,C型肝炎のフォローのため肝ダイナミックCTを施行したところ膵尾部にplainで正常膵とiso density,early phaseで周囲よりhigh densityなφ2cmの腫瘍を指摘された.入院後精査にて非機能性膵内分泌腫瘍を疑い,膵体尾部脾合併切除術を施行した.術中所見では腫瘤は,膵尾部に結節として触知された.切除標本で腫瘤の割面は暗赤色・弾性軟で正常脾組織の割面と極めて類似しており,周囲膵組織との境界は明瞭であった.術中迅速病理組織学的検査で膵内副脾の診断であった.膵内副脾は切除の必要はなく,膵尾部腫瘤の鑑別診断には副脾を考慮する必要がある.

索引用語
accessory spleen, islet cell tumor

日消外会誌 33: 1821-1825, 2000

別刷請求先
勅使河原 修 〒466-8550 名古屋市昭和区鶴舞町65 名古屋大学第2外科

受理年月日
2000年7月25日

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