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第33巻 第12号 2000年12月 [目次] [全文 ( PDF 112KB)]
症例報告

CHOP療法で2年以上CRを得ている巨大腸間膜原発悪性リンパ腫の1例

吉田 秀明, 枝澤 寛, 野納 邦昭, 鎌田 剛, 加藤 紘之1), 近藤 信夫2)

函館赤十字病院外科, 北海道大学腫瘍外科1), 札幌病理学研究所2)

 予後不良とされる腸間膜原発悪性リンパ腫の2年生存中の1例を報告した.術前診断には,X線CTと67Gaシンチが有用であるが,確定診断には67Gaシンチ取り込み部位の生検が必要である.症例は42歳の男性.約3年前から臍部の腫瘤に気づいていたが放置していたところ,次第に増大してきたために近医を受診し,腹部巨大腫瘍として紹介された.臍を中心とした長径約18cmの表面平滑,可動性のある弾性硬の腫瘤を触知した.腹部CT検査では椎体上に内部均一な15×10cmの腫瘍を認めた.67Gaシンチでは,腹部CT検査上の腫瘍部位に一致した著明な取り込みを認めた.腸間膜原発の悪性リンパ腫を強く疑い,開腹生検の結果,B細胞型濾胞型悪性リンパ腫small cleaved cell typeと診断された.CHOP療法を20か月間に10クール行いCRが得られ治療開始後2年目の現在,再燃の徴候なく経過中である.

索引用語
malignant lymphoma of mesenterium, CHOP

日消外会誌 33: 1925-1929, 2000

別刷請求先
吉田 秀明 〒060-8638 札幌市北区北15条西7丁目 北海道大学腫瘍外科

受理年月日
2000年9月20日

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