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第34巻 第1号 2001年1月 [目次] [全文 ( PDF 92KB)]
原著

胃癌組織におけるテロメラーゼ活性とテロメラーゼ構成要素との関連について

田中 直行, 宮地 和人, 砂川 正勝

獨協医科大学第1外科

 胃癌組織におけるテロメラーゼ活性とhTR,hTERTおよびTRF1,TRF2の発現とそれらの関連を比較・検討した.胃癌51例で,テロメラーゼ活性はF-TRAP法にて半定量化,hTR,hTERTはreal-time PCR法にて定量化,TRF1,TRF2は免疫組織化学法にて核内陽性細胞率を算定した.癌組織でのテロメラーゼ活性陽性率および平均活性値は78.4%・88.7,hTRは98.0%・8.49,hTERTは96.0%・3.05であった.TRF1,TRF2の核内陽性細胞率は,45.1%,42.9%であった.テロメラーゼ活性発現率はhTR高値群で有意に高発現であった(p=0.04).同様にhTERTに関しても高値群でテロメラーゼ活性発現率が有意に高かった(p=0.03).TRF1,TRF2との関連は認めなかった.以上より,hTR,hTERTがテロメラーゼ活性の発現と強く関連する可能性が示唆された.

索引用語
telomerase, hTR, hTERT, TRF1, TRF2

日消外会誌 34: 1-8, 2001

別刷請求先
田中 直行 〒321-0293 栃木県下都賀郡壬生町北小林880 獨協医科大学第1外科

受理年月日
2000年10月31日

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