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第34巻 第2号 2001年2月 [目次] [全文 ( PDF 117KB)]
症例報告

胆道出血,胆管炎で発症した胆嚢癌の1例

菅原 元, 山口 晃弘, 磯谷 正敏, 原田 徹, 金岡 祐次, 鈴木 正彦, 芥川 篤史, 鈴村 潔, 臼井 達哉

大垣市民病院外科

 症例は右季肋部痛を主訴に来院した70歳の女性.血液生化学検査で,炎症所見と高度の肝機能障害,腹部USでは胆嚢の壁肥厚と胆泥,総胆管の拡張像を認めた.ERCPでは,乳頭開口部に凝血塊を認め,胆道造影では総胆管に陰影欠損像を認めた.ENBDによる胆道減圧後の胆道造影では,総胆管の陰影欠損像は消失し,胆嚢底部の陰影欠損像と,胆嚢内の凝血塊によると思われる淡い透亮像を認めた.血管造影では胆嚢動脈浅枝に,晩期相でtumor stainを認めた.腫瘍からの出血による胆道出血と胆嚢炎,胆管炎を合併した胆嚢癌と診断し,2群リンパ節郭清を伴う肝S4a+5+6a切除+胆管切除,肝管空腸Roux-Y吻合を施行した.切除標本では胆嚢底部に新鮮な凝血塊の付着を伴う30×20mm大の乳頭浸潤型の腫瘍を認め,組織学的には,高分化型管状腺癌であった.腫瘍の近傍にヘモジデリンの沈着を認め,出血源と考えられた.

索引用語
gallbladder cancer, hemobilia, acute cholangitis

日消外会誌 34: 109-113, 2001

別刷請求先
菅原 元 〒503-0864 大垣市南頬町4-86 大垣市民病院外科

受理年月日
2000年10月31日

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