症例報告
腹腔鏡下Nissen手術で著効を呈した巨大食道裂孔ヘルニアの1例
石原 明, 普光江 嘉広, 村上 雅彦*, 佐藤 篤, 李 雨元, 大塚 耕司*, 加藤 貴史*, 草野 満夫*
城山病院外科, 昭和大学一般・消化器外科*
症例は84歳の女性.喘鳴,食思不振を主訴に入院となった.胸部単純X線検査,上部消化管造影X線検査,上部消化管内視鏡検査から,胃軸捻転を伴った食道裂孔ヘルニアによる呼吸障害と診断された.合併する肺炎に対しては抗生剤投与にて一時的には軽快したが,形態異常からくる呼吸器症状の改善は内科的治療では困難と考え,腹腔鏡下に手術を行った.手術はヘルニア嚢を切除したのち食道裂孔を縫縮し,Nissenのfundoplicationを施行した.術後経過は良好で,喘鳴は完全に消失し胃軸捻転も改善されたため退院となった. 胃軸捻転を伴った食道裂孔ヘルニアに対し,腹腔鏡下のNissen手術を施行したことで劇的に症状の改善が得られ,良好な経過をとった1例を経験したので報告する.
索引用語
esophageal hiatal hernia, gastric volvulus, laparoscopic Nissen fundoplication
別刷請求先
石原 明 〒373-0817 太田市飯塚町1 城山病院外科
受理年月日
2000年12月19日
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