特集
胃食道逆流症に対する腹腔鏡下噴門形成術の評価
柏木 秀幸, 小村 伸朗, 矢野 文章, 石橋 由朗, 羽生 信義, 青木 照明
東京慈恵会医科大学外科
目的:胃食道逆流症に対する腹腔鏡下噴門形成術の有用性や問題点を明らかにする. 対象と方法:87例の術中・術後経過と,国際食道疾患会義によるAFP分類に基づき,その治療効果について検討した.年齢は52±16歳(18~81歳)で,男性が52例,女性が35例であった.噴門形成術としては,Nissen法が56.3%,Toupet法が40.2%,そしてDor法が3.5%に行われた. 成績:胃の損傷,気胸,脾臓よりの出血などの合併症が11.5%に見られたが,開腹移行例は認められなかった.プロトンポンプ阻害薬抵抗例に対しても良好な治療成績を示した.また,Nissen法とToupet法で治療成績による差は見られなかった.在院期間も短く,良好な成績であったが,嚥下困難2例,胃食道逆流症の再発1例で再手術が行われた. 結論:腹腔鏡下噴門形成術は,胃食道逆流症に対し,安全性が高く,有用な治療である.
索引用語
gastroesophageal reflux disease, antireflux surgery, laparoscopic fundoplication
別刷請求先
柏木 秀幸 〒105-8461 東京港区西新橋3-25-8 東京慈恵会医科大学外科
受理年月日
2000年12月19日
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