特集
腹腔鏡補助下幽門側胃切除術の治療成績とその評価
白石 憲男, 安田 一弘, 猪股 雅史, 安達 洋祐, 北野 正剛
大分医科大学第1外科
1991年,内視鏡的粘膜切除術(EMR)の適応とならない早期胃癌に対して腹腔鏡補助下幽門側胃切除術(LADG)を開発し,これまでに81例に施行してきた.それらの適応理由は,大きな,または潰瘍瘢痕を有するM癌59%,軽度SM浸潤癌20%だった.全例D1+αのリンパ節郭清を行った.術後合併症は,肺炎,吻合部狭窄,膵液漏の3例のみに認め,すべて保存的に治癒した.摘出標本の検討では,sm浸潤を示した4例のみに1群リンパ節転移を認めたが,6~98か月の経過観察期間,再発を認めていない.これまでに解析した症例対象研究においてもLADGは開腹下手術に比べ,低侵襲性および術後患者のquality of life(QOL)の向上に寄与していることが示されてきた. LADGは,根治性を兼ね備えており,安全性,有用性に優れた術式である.
索引用語
laparoscopic surgery, gastrectomy, minimal invasiveness
別刷請求先
白石 憲男 〒879-5593 大分県大分郡挾間町医大ヶ丘1-1 大分医科大学第1外科
受理年月日
2000年12月19日
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