特集
大腸癌に対する腹腔鏡下手術の成績と評価
長谷川 博俊, 渡邊 昌彦, 山本 聖一郎, 北島 政樹
慶應義塾大学外科
1992年から現在までの8年間に大腸癌患者327例(Dukes A:245例,B:38例,C:39例,D:5例)に対し腹腔鏡下大腸切除術を施行した.術後観察期間中央値は37か月(1~97か月)であった.飲水と経口摂取開始日は術後1日と3日で,術後在院日数の中央値は8日であった.術後合併症は36例(11.0%)に認め,このうち創感染が14例(4.3%)であった.治癒切除322例中9例(2.8%)に再発を認めた.このうち腹膜再発を認めた4例の深達度はss:1例,se:2例,si:1例であった.Kaplan-Meier法による5年全生存率はDukes A:99.3%,B:100%(4年),C:79.3%であった.早期大腸癌に対する腹腔鏡下手術の長期予後は良好で,本法の良い適応であると思われた.mp癌の予後も比較的良好であったが,ss以深の進行癌に対しては慎重な経過観察が必要である.
索引用語
laparoscopic surgery, colorectal cancer, long-term follow-up
別刷請求先
長谷川 博俊 〒160-8582 東京都新宿区信濃町35 慶應義塾大学外科
受理年月日
2000年12月19日
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