特集
新しい指標による内視鏡外科の評価:加速度センサーによる術後活動性回復状況の判定
井上 善文, 木村 聡宏, 藤田 繁雄, 野呂 浩史, 谷口 英治, 弓場 健義, 西田 俊朗, 伊藤 壽記, 大橋 秀一, 松田 暉
大阪大学大学院医学系研究科臓器制御医学専攻機能制御外科学, 同 内視鏡外科学
内視鏡外科は低侵襲手術と呼称されているが,客観的指標に基づいた評価は十分にはなされていない.低侵襲手術と呼称されている腹腔鏡下胆嚢摘出術・胃部分切除術(LMIN群),中等度侵襲手術:開腹下幽門側胃切除術(ODG群),高度侵襲手術:開腹下胃全摘術(OTG群)を対象として,術後回復状況を加速度センサーを用いた体動の累積加速度の測定により判定し,手術侵襲を評価する臨床的指標としての意義について検討した.体動の累積加速度は術後1~7日目までの測定においてLMIN群がODG群,OTG群に比べて有意に高く,この順に術後の身体活動性が高いことが示された.また,体動が術前の90%まで回復するのに要した日数(recovery time)は,LMIN群,ODG群,OTG群の順に短く,侵襲度が低いほど術後体動の回復が早いことが示された.加速度センサーを用いた体動の累積加速度の測定は,術後回復状況を定量的に評価できる指標であると考えられる.
索引用語
accelerometer, minimally invasive surgery, convalescence after surgical stress
別刷請求先
井上 善文 〒565-0871 吹田市山田丘2-2-E1 大阪大学大学院医学系研究科臓器制御医学専攻機能制御外科学
受理年月日
2000年12月19日
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