有限責任中間法人日本消化器外科学会ホームページへリンク 日本消化器外科学会雑誌 Online Journal
メインナビゲーションを飛ばす
ホームへリンク
最新号へリンク
既刊号へリンク
論文検索へリンク
投稿規定へリンク
編集委員会からへリンク
公式英文誌へリンク
購読のご案内へリンク
閲覧上のご注意へリンク
書誌情報 Japanese Englishページへリンク
第34巻 第5号 2001年5月 [目次] [全文 ( PDF 89KB)]
原著

膵癌に対する術中照射療法の成績と合併症

阿部 哲夫, 伊藤 契, 阿川 千一郎, 石原 敬夫, 小西 敏郎

NTT東日本関東病院外科

 はじめに:膵癌の治療成績向上のため1986年から当科で施行中の術中照射療法(IORT)の治療成績と合併症について検討した.対照と方法:1980年1月から1999年12月までに当科で扱った IORT 施行および非施行の膵癌症例を対象とした.IORT は非切除例で40例(A群),切除例で8例(B群)に施行した.この2群と IORT 非施行の非切除例59例(C群)および切除例55例(D群)を比較検討した.検討項目は A群と C群,B群と D群の生存率の有意差検定,A群の IORT による除痛・腫瘍縮小効果,CA19-9の推移,また剖検例では照射による組織学的効果とした.さらに,照射に伴う合併症についても検討した.結果:C群と比較して A群は有意な生存期間の延長と81.8%に除痛効果,50%に腫瘍縮小および56.3%に CA19-9の低下が認められ,QOL の改善に有用であった.しかし,B群とD群の生存率に有意差はなかった.組織学的にA群剖検例の照射野内の膵実質に著明な線維化を認め,効果が確認された.IORT に関連した重篤な合併症を B群の2例に認めた.1例は IORT の照射野内の膵断端の壊死を伴う膵空腸吻合の縫合不全,他の1例は IORT と術後体外照射後の消化管,血管の破綻による腹腔内出血であった.考察:今後は照射による残存膵,膵周囲の組織障害を考慮してバイパス手術の付加や照射線量の決定,鉛板による遮蔽を徹底する必要がある.

索引用語
pancreatic carcinoma, intraoperative radiation therapy, paincontrol in unresected pancreatic carcinoma, complication due to radiation injury, duodenal perforation

日消外会誌 34: 459-464, 2001

別刷請求先
阿部 哲夫 〒141-8625 東京都品川区東五反田5-9-22 NTT東日本関東病院外科

受理年月日
2001年1月31日

ダウンロードサイトへリンク PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です
このページのトップへ戻る
メインナビゲーションへ戻る
Copyright © 日本消化器外科学会