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第34巻 第5号 2001年5月 [目次] [全文 ( PDF 89KB)]
症例報告

S状結腸間膜裂孔ヘルニアの1例

遠藤 良幸, 吉田 典行, 安藤 善郎, 小野木 仁, 中村 泉, 大木 進司, 滝田 賢一, 土屋 敦雄, 関川 浩司, 竹之下 誠一

福島県立医科大学医学部第2外科

 内ヘルニアは,腸間膜または腹膜の欠損部に臓器が嵌入するまれな疾患である.特徴的な症状がないためイレウスの診断で開腹手術を施行され確定診断にいたることが多い.症例は69歳の男性で,S状結腸間膜の異常裂孔に小腸が嵌入していた.術前に内ヘルニアによるイレウスとの確定診断は出来なかったが,腹部 CT では小腸が S状結腸の外側(左側)に位置しているなど,大腸および小腸の位置異常の所見があった.開腹手術の既往がないイレウス症例においては常に内ヘルニアの存在を念頭に置く必要があると思われた.S状結腸間膜に関連した内ヘルニアは本邦では自験例を含めて43例の報告を確認したが,その1亜型である S状結腸間膜裂孔ヘルニアは自験例が11例目でありまれな症例と思われた.

索引用語
transmesosigmoid hernia, internal hernia, sigmoid mesocolon

日消外会誌 34: 510-514, 2001

別刷請求先
遠藤 良幸 〒960-1295 福島市光が丘1 福島県立医科大学医学部第2外科

受理年月日
2001年1月31日

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