腹腔鏡下胆嚢摘出術の術後胆汁瘻に対する治療法

前田　大, 藤崎　真人, 高橋　孝行, 平畑　忍, 和田　徳昭, 亀井　秀策, 石丸　啓, 石川　太郎

足利赤十字病院外科

　腹腔鏡下胆嚢摘出術の術後合併症のひとつに術後胆汁瘻がある．当施設では腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した800例中，12例（1.5％）に術後胆汁瘻を経験した．我々は術後胆汁瘻を認めた場合は直接胆道造影を施行して造影剤の漏出の有無，損傷部位およびその程度を確認する．造影剤の漏出が認められた場合，重度の胆管損傷であれば開腹下に胆道再建を施行する．そうでなければ ENBD または PTBD などの胆道ドレナージを施行し，保存的に治療する．造影剤の漏出が認められない場合は腹腔ドレナージのみで経過を観察している．今回，胆道造影により造影剤の漏出を認めた7例に胆道ドレナージを施行し，保存的に治療せしめた．ドレナージ施行から胆汁漏出が止まるまでの平均日数は7.6日であった．胆道ドレナージを施行すると早期に胆汁の漏出は止まり，再手術が避けられるため，低侵襲で効果的な治療方法である．

索引用語
laparoscopic cholecystectomy, bile leakage, ENBD

別刷請求先
前田　大　〒326-0808　足利市本城3-2100　足利赤十字病院外科

受理年月日
2001年3月28日

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