症例報告
胃癌の大腸転移切除後長期生存した2症例
金 成泰1), 田村 茂行1), 松山 仁, 岸 健太郎1), 宮内 啓輔, 関 洋介, 吉田 浩二2), 請井 敏定, 上村 佳央, 金子 正
公立学校共済組合近畿中央病院外科(現・大阪大学大学院病態制御外科1), 現・東京大学医科学研究所2))
胃癌の大腸転移切除後長期生存した2症例を経験した.2症例は術前に大腸癌と考えられたが胃癌術後の結腸転移であった.症例1,2はそれぞれ70歳の男性,75歳の男性で幽門側胃切除術後6年目に再発した.病理組織学的所見では2症例とも胃癌と同等な組織を示し,術後に胃癌再発と診断した.それぞれ再切除を行いおのおの3年8か月,2年2か月経過したが,現在再発を認めない.自験2症例は術前画像診断で大腸の単発性腫瘍で,手術所見でも大腸の単発性の転移巣であった.自験例は転移性大腸癌であり,その原発巣は胃癌が多いと言われている.しかし再切除により根治する可能性は非常に少ない.2症例とも現在も生存しており,局所切除により長期生存の可能性があることが示唆された.
索引用語
recurrent gastric cancer, metastatic colon cancer, surgery of local recurrence of gastric cancer
日消外会誌 34: 1410-1414, 2001
別刷請求先
金 成泰 〒666-0145 川西市けやき坂3-38-7
受理年月日
2001年5月23日
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