完全内臓逆位症に合併した総胆管癌の1例

細井　則人, 斉藤　孝, 鈴木　克彦

本荘第一病院外科

　完全内臓逆位症に合併した総胆管癌の1例を経験した．症例は70歳の男性で，黄疸を指摘され当院紹介された．胸部単純X線写真で右胸心をみとめた．腹部超音波検査にて完全内臓逆位および肝内胆管および総胆管の著明な拡張をみとめた．磁気共鳴胆管造影検査および経皮経肝胆道造影検査にて上部胆管の全周性の狭窄をみとめた．以上から，総胆管癌の診断で手術を施行した．腫瘍の右肝動脈への直接浸潤がみられ，また右肝管への浸潤をみとめたため肝右葉切除術および肝管空腸吻合にて再建を行った．完全内臓逆位に合併した総胆管癌の本邦での報告は自験例を含め6例目であり報告した．

索引用語
situs inversus totalis, common bile duct carcinoma

別刷請求先
細井　則人　〒015-8567　本荘市出戸町字岩渕下110　本荘第一病院外科

受理年月日
2001年5月23日

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