症例報告
胆管空腸吻合部良性狭窄にexpandable metallic stentを留置し6年後再狭窄をきたした1手術例
松崎 弘志, 岡住 慎一, 高山 亘, 竹田 明彦, 福長 徹, 一瀬 雅典*, 岩崎 好太郎, 浅野 武秀, 落合 武徳
千葉大学第2外科, 塩谷総合病院外科*
我々は,胆管空腸吻合部狭窄に留置したEMSが再狭窄をきたした1手術例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.症例は71歳の男性.1982年他院にて胆嚢総胆管結石のため,胆嚢摘出術および胆管切除,左右肝管空腸吻合術施行.1990年吻合部狭窄・肝内結石のため,当科にて砕石後,左右吻合部にEMSを留置.1996年12月胆管炎にて入院し,保存的に軽快退院となったが,約3週間後より発熱・黄疸が出現し,再入院.左胆管空腸吻合部の著明な狭窄を認め,内視鏡的処置は不可能と判断,開腹術となった.左胆管空腸吻合部前面を縦に大きく切開したが,狭窄部のステントは瘢痕組織に強固に埋没していたため一部のみ除去し,切開部の空腸で左肝管をパッチするような形で吻合した.以後の経過は順調である.
索引用語
expandable metallic stents (EMS), benign biliary stricture, hepatico-jejunostomy
日消外会誌 34: 1424-1428, 2001
別刷請求先
松崎 弘志 〒273-8588 船橋市金杉1-21-1 船橋市立医療センター外科
受理年月日
2001年5月23日
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