症例報告
虫垂重積をきたした虫垂子宮内膜症の1例
高瀬 真1)2), 炭山 嘉伸1), 渡辺 学1), 安部 孝3)
東邦大学外科学第3講座1), 浅草寺病院外科2), 同 内科3)
虫垂子宮内膜症は,欧米では虫垂切除例中0.05%に認められ,また虫垂重積は0.01%に認められる.しかしこれらの本邦での報告は少なく,まして虫垂重積を伴った虫垂子宮内膜症の報告はきわめてまれである.今回,虫垂重積をきたした虫垂子宮内膜症の1例を経験したので報告する.症例は34歳の女性で,下血および右下腹部痛を主訴に来院した.大腸内視鏡検査,腹部computed tomography,腹部超音波検査により虫垂腫瘍,盲腸粘膜下腫瘍を疑い手術を施行した.手術時虫垂は,盲腸部に重積しており,用手的に整復できたため盲腸局所切除を含めた虫垂切除術を施行した.虫垂は短縮しており盲腸との境界部に白色調の腫瘍を認めた.組織学的検索にて虫垂子宮内膜症,虫垂粘液瘤と診断された.
索引用語
appendiceal intussusception, apendiceal endometriosis, appendiceal mucocele
日消外会誌 34: 1457-1460, 2001
別刷請求先
高瀬 真 〒111-0032 東京都台東区浅草2-30-17 浅草寺病院外科
受理年月日
2001年5月23日
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