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第34巻 第10号 2001年10月 [目次] [全文 ( PDF 47KB)]
原著

再発後生存期間からみた胃癌再発腫瘍摘除の意義

小林 理, 金成 正浩, 吉川 貴己, 円谷 彰, 西連寺 意勲, 本橋 久彦

神奈川県立がんセンター消化器外科

 胃癌再発例の病態は多様であり,再発後の予後因子は明確ではない.そこで胃癌再発例に対する再発腫瘍摘除の予後因子としての意義を再発後生存期間から検討した.対象は1986年から2000年9月再発した202例中に再手術で再発腫瘍を摘除しえた18例(8.9%)である.再手術の目的は根治手術(根治群)9例,確定診断(診断群)5例,症状改善(QOL群)4例に分類された.切除臓器は卵巣が4例,結腸・直腸が3例,肝が3例,リンパ節が2例,局所が2例,腹膜,副腎,脳,肺が各1例であった.手術死亡はなかった.対象例の無病期間は111から2,228日で平均は根治群が934日,診断群が1,038日,QOL群が1,001日と有意差はなかった.再発時のperformance status(PS)はPS0が11例,PS1が7例.血清CEAかCA19-9の異常値から再発診断した症例は6例.摘除術後の再々発は17例で,部位は摘除臓器以外が11例で多臓器再発を6例に認めた.転帰は肝切除の1例が5年以上無再発生存中で,17例は3年以内に死亡し,2年以上生存は卵巣切除の4例であった.再発後のmedian survivalは根治群が15.6か月,診断群が14.4か月,QOL群が11.6か月であった.QOL例は根治例(p=0.0399),診断例よりも有意に短期間であったが(p=0.0351),根治例と診断例に有意差はなかった(p=0.8467).胃癌の再発診断において約1割の再摘除可能例が存在し,これらの病変は早期発見によって再発後生存期間の延長が図れると思われた.

索引用語
gastric cancer, recurrence, metastasectomy, survival, prognosis

日消外会誌 34: 1501-1505, 2001

別刷請求先
小林 理 〒241-0815 横浜市旭区中尾1-1-2 神奈川県立がんセンター消化器外科

受理年月日
2001年6月26日

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