原著
進行下部直腸癌治療における側方郭清の位置づけ
中房 祐司, 廣橋 喜美, 田中 聡也, 北島 吉彦, 佐藤 清治, 宮崎 耕治
佐賀医科大学一般・消化器外科
進行下部直腸癌治療における側方郭清の役割の明確化を目的に背景因子と側方転移頻度,側方郭清の有無が予後に及ぼす影響との関係を解析した.側方郭清群の5年生存率は,非施行群と比較して深達度al(ss)以上(86.1% vs 58.5%),腫瘍径 3 cm以上(86.7%vs 64.9%),高・中分化腺癌(88.1% vs 69.8%)で有意に良好であり(p<0.05),局所再発率の改善を伴っていた.上方転移陽性では陰性に比較して側方転移頻度(5/16例vs 0/18例)が高いものの(p<0.05),側方郭清の有無によって生存率に有意差を認めず,リンパ節転移陽性症例の生命予後は不良であった.以上,進行下部直腸癌の中でも深達度al(ss)以上,腫瘍径3cm以上,高・中分化腺癌,上方転移陽性は側方郭清の積極的適応であるが,リンパ節転移陽性症例の予後は側方郭清を加えてもなお不良であることが示された.
索引用語
lateral lymph node dissection, rectal cancer, treatment for rectal cancer, lymph node metastasis of rectal cancer, prognosis of rectal cancer
日消外会誌 34: 1512-1521, 2001
別刷請求先
中房 祐司 〒849-8501 佐賀市鍋島5-1-1 佐賀医科大学一般・消化器外科
受理年月日
2001年6月26日
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