胃癌患者血清のCTLL-2増殖抑制活性の測定意義に関する検討

石原　和浩, 杉山　保幸, 国枝　克行, 外村　宗一, 佐治　重豊

岐阜大学医学部第2外科

　目的：胃癌200例を対象に，術前未治療時血清のマウス由来IL-2依存性T細胞株の増殖に及ぼす影響（T-cell growth suppression assay：TGSA）を検索し，臨床病理学的因子や各種免疫パラメータ，腫瘍マーカーなどとの関連，および予後との関連を比較検討した．結果：胃癌全体のTGSA値は良性疾患に比べ有意に低値で，総合的進行程度，壁深達度，肝転移程度別では進行に伴って有意に低下した．TGSAカットオフ値を67.0とした場合，低値群は正常値群に比べ有意に末梢血のIAP，CRP，CEA，好中球分画の値が高く，リンパ球分画が低値を示した．予後は低値群が高値群に比べ有意に不良であった．結語：TGSAは胃癌の進行に伴う病態，とりわけ液性免疫機構の状態を鋭敏に反映するパラメータとなる可能性が示唆された．

索引用語
gastric cancer, immnological parameter, T-cell growth suppression assay, CTLL-2

別刷請求先
石原　和浩　〒500-8705　岐阜市司町40　岐阜大学医学部第2外科

受理年月日
2001年7月30日

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