症例報告
十二指腸原発内分泌細胞癌の1切除例
高 順一1), 上田 和光1)2), 大堀 真毅1), 草野 満夫3)
秦病院外科1), 日立総合病院外科2), 昭和大学一般消化器外科3)
症例は60歳の男性.主訴は心窩部不快感.検診にて胃の異常陰影を指摘されたが上部消化管内視鏡検査で十二指腸下行脚に腫瘍を発見され,生検にて腺癌が得られた.画像診断で明らかな肝転移,リンパ節転移を認めず,十二指腸癌の診断にて,膵頭十二指腸切除術(D2)を施行した.切除標本では,Vater乳頭より2cm肛門側に陥凹を伴った粘膜下腫瘍様病変が認められ,病理所見で内分泌細胞癌と診断した.本疾患は臨床的に悪性カルチノイドともいわれ,早期に転移をおこし予後不良といわれている.特に十二指腸原発は本邦で自験例を含め14例とまれである.
索引用語
endocrine carcinoma, duodenal tumor, pancreaticoduodenectomy
日消外会誌 34: 1616-1619, 2001
別刷請求先
高 順一 〒142-0064 東京都品川区旗の台1-5-8 昭和大学第2外科
受理年月日
2001年7月30日
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