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第34巻 第11号 2001年11月 [目次] [全文 ( PDF 64KB)]
症例報告

術前に診断しえた魚骨による回腸穿孔の1治験例 ―過去10年間の魚骨による消化管穿孔271例の分析―

葉 季久雄, 井上 聡, 渡辺 靖夫, 米川 甫

慶應義塾大学伊勢慶應病院外科

 症例は57歳の男性.下腹部痛を主訴に救急外来受診.腹部所見は下腹部に圧痛,反跳痛,筋性防御を認め,腹膜炎の所見であった.腹部単純X線検査では圧痛の部位に一致して約3cmの線状異物陰影を認めた.腹部CT検査では,左下腹部の拡張した腸管内に約2cmの線状異物陰影を認め,魚骨による消化管穿孔と診断し,緊急手術を施行した.今回,1990年から99年の10年間の魚骨による消化管穿孔例271例を集計した.271例のうち手術が229例に行われ,術前に正診されていたのは51例(22.3%)であった.腹部の穿孔部位は,回腸,横行結腸,S状結腸と,腸間膜を持ち後腹膜に固定されていない部位に多くみられた.

索引用語
intestinal perforation, fish bone, gastrointestinal foreign body

日消外会誌 34: 1640-1644, 2001

別刷請求先
葉 季久雄 〒160-8582 東京都新宿区信濃町35番地 慶應義塾大学病院救急部

受理年月日
2001年7月30日

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