症例報告
マイクロカテーテル留置により術中,病変部位を的確に同定しえた小腸動静脈奇形の1例
平林 邦昭, 内田 学, 山口 拓也, 吉川 健治, 西岡 宏彰, 谷口 雅輝, 木村 太栄, 木野 茂生*, 中林 洋*
耳原総合病院外科, 同 病理*
患者は70歳の女性で,6か月前に下血と意識消失発作で入院歴がある.そのときは胃・大腸内視鏡,出血シンチグラフィーで異常を認めず軽快退院している.今回同様の症状で再入院し,出血シンチグラフィーと腹部アンギオグラフィーで空腸動静脈奇形(arteriovenous malformation;以下,AVMと略記)と診断した.術中の病変部位の同定に難渋すると考え,術直前に腹部アンギオグラフィーを施行し病変近傍にマイクロカテーテルを留置し開腹手術を行った.予想どおり術中の触診,視診では病変は全く不明であり,留置しておいたカテーテルの触診を頼りに病変のおよその部位を判断しサブライトを透光することで病変を肉眼でとらえることができた.切除標本の血管造影と特徴的な病理所見よりAVMと確定診断をくだした.
索引用語
arteriovenous malformation, intestinal bleeding
日消外会誌 34: 1645-1649, 2001
別刷請求先
平林 邦昭 〒590-0822 大阪府堺市協和町4-465 耳原総合病院外科
受理年月日
2001年6月26日
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