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第34巻 第12号 2001年12月 [目次] [全文 ( PDF 127KB)]
症例報告

肝膿瘍を合併し腫瘍の穿破から腹膜炎をきたした胃原発gastrointestinal stromal tumorの1例

河合 秀二, 川崎 博之, 井関 恒, 西山 瑩, 小林 道也, 弘井 誠**

厚生年金高知リハビリテーション病院外科, 高知医科大学第1外科, 国立高知病院病理**

 症例は69歳の男性で,食欲低下で当院内科を受診,腹部CTで,胃,膵尾部,脾臓に囲まれた部位に腫瘤性病変と肝臓に径3cm大の低吸収域を認め精査予定となった.翌日腹膜炎による激しい腹痛で緊急入院となり,腫瘤形成性膵炎,および肝膿瘍の診断で保存的治療を施行した.経過中腫瘤を直接穿刺し,細胞診を施行,class Vの診断を得たため状態の改善を待って手術を施行し,病理組織診断で胃原発gastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断された.胃原発のGISTで,肝膿瘍を合併し,腫瘍の穿破が原因と考えられる腹膜炎を発症した症例は極めてまれであると考えられるため,文献的考察を加え報告した.

索引用語
GIST of the stomach, Liver abscess, Peritonitis

日消外会誌 34: 1737-1741, 2001

別刷請求先
河合 秀二 〒780-8040 高知市神田317-12 厚生年金高知リハビリテーション病院外科

受理年月日
2001年9月19日

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