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第34巻 第12号 2001年12月 [目次] [全文 ( PDF 92KB)]
症例報告

総胆管結石様画像所見を呈した胆管内発育を伴う肝細胞癌の1例

高橋 秀典, 東野 健, 加納 寿之, 岩澤 卓, 松井 成生, 中野 芳明, 矢野 浩司, 衣田 誠克, 岡村 純, 門田 卓士

NTT西日本大阪病院外科

 症例は57の男性.既往にC型慢性肝炎があった.右季肋部痛,黄疸にて当院入院となった.ERCにて左肝管に透亮像を認めた.CT,エコーにて肝に腫瘍を認めず,肝内結石症と診断された.黄疸は保存的に軽快し,外来経過観察となったが,経過観察中,AFP値が上昇し再入院となった.CT,エコーにて肝臍部から総胆管に胆管内腫瘍を認めたが,肝内に腫瘍を認めなかった.ERCにて総胆管内に浮遊する透亮像を認めた.肝細胞癌の胆管内発育と診断し,肝左葉切除,胆管内腫瘍摘出術を施行した.術後標本にてS4に直径1.5cmの腫瘍を認め,低分化型肝細胞癌,vp2,vv0,b2であった.術後2年3か月で再発を来たし,6年1か月で原病死した.画像診断上肝内に腫瘍像を認めず,胆管内結石と鑑別が困難であった興味深い1例であったので報告した.

索引用語
hepatocellular carcinoma, common bile duct stone bile duct thrombus

日消外会誌 34: 1742-1746, 2001

別刷請求先
高橋 秀典 〒543-8922 大阪市天王寺区烏ヶ辻2-6-40 NTT西日本大阪病院外科

受理年月日
2001年9月19日

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