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第35巻 第2号 2002年2月 [目次] [全文 ( PDF 123KB)]
症例報告

化学療法中,反復性出血を来した多発性脾嚢胞の1例

山中 秀高, 西垣 英治, 堀 昭彦, 杉浦 友則, 河合 徹, 川井 覚, 平松 聖史, 北川 喜己, 河野 弘, 松浦 豊

名古屋掖済会病院外科

 脾嚢胞に遭遇することは画像診断の進歩に伴いまれではない.今回,我々は肺癌の化学療法が原因と思われる,反復性出血を来した多発性脾嚢胞の1例を報告する.症例は58歳の男性.右肺癌,癌性胸膜炎で化学療法施行中,左上側背部痛が出現した.血液検査で貧血を,腹部超音波およびCT検査で多発性脾嚢胞を認め,その1つは出血していた.いずれの嚢胞も腫瘍性病変はなかった.保存的治療でいったん軽快したが,発症後14日目に再発し,腹部CT検査で前回と異なる嚢胞に出血を認めた.反復性出血性多発性脾嚢胞と診断し手術を施行した.脾は膵,大網,腹壁,横隔膜と線維性結合織で強固に癒着しており,これらを部分切除して脾摘出術を施行した.切除標本で径5cmまでの4個の嚢胞を認めた.すべての嚢胞は単房性で,内容液は古い血液であった.病理組織で嚢胞壁は内腔に被覆細胞のない線維性結合織で,仮性嚢胞であった.各嚢胞は新旧さまざまな段階の出血巣を認めた.

索引用語
splenic cyst, anticancer drug, pseudocyst

日消外会誌 35: 171-175, 2002

別刷請求先
山中 秀高 〒454-8502 名古屋市中川区松年町4-66 名古屋掖済会病院外科

受理年月日
2001年10月31日

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