症例報告
成人Meckel憩室茎捻転の2例
和久 利彦, 岡田 博文
セントラル病院外科
Meckel憩室茎捻転により腹膜炎を呈した2症例を経験したので報告する.症例1:25歳の男性.腹部CT上target sign様の層状構造を認めた.腹痛の増強とともに筋性防御を認め,虫垂炎術後の癒着に伴う絞扼性腸閉塞あるいは腸重積症として緊急開腹術を施行した.回腸終末部より口側100cmに,9×4cmの憩室を認めた.憩室は反時計方向に360度の茎捻転をおこし,壊死に陥っていた.症例2:24歳の男性.腹痛を伴う筋性防御を認め,虫垂炎術後の癒着に伴う絞扼性腸閉塞として緊急開腹術を施行した.回腸終末部より口側75cmに,10×4cmの憩室を認めた.憩室は時計方向に360度の茎捻転をおこし,壊死に陥っていた.憩室自体が頸部で捻転する純粋な成人の茎捻転の報告は本邦で2例が報告されているのみである.憩室が大きく,可動性を有し,憩室頂部が嚢状を呈していることが捻転発生に必要な解剖学的特徴と考えられた.
索引用語
Meckel's diverticulum, torsion peritonitis
別刷請求先
和久 利彦 〒720-0809 福山市住吉町7-3 特定医療法人財団竹政会セントラル病院外科
受理年月日
2001年10月31日
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