症例報告
3回の再発巣切除後,切除しえた直腸癌膵転移の1例
米山 泰生, 貝沼 修, 谷口 徹志, 中島 光一, 渡辺 良之, 原 壮
清水厚生病院外科
症例は67歳の女性.1993年に直腸癌にて低位前方切除術行い,その後2回の肝転移および肺転移の切除術を受けた.2000年5月腹部CTにて主膵管拡張と膵頭部に不均一に造影される腫瘍を認め,MRCP,ERCPにて膵頭部主膵管に途絶を認めた.膵転移もしくは腫瘤形成性膵炎を疑い,エコー下膵生検を行い,直腸癌膵転移の診断にて7月19日膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的にも高~中分化型腺癌で,原発巣および肝・肺転移巣と類似の所見であった.直腸癌膵転移は極めてまれであり,本邦報告例では異時性に他臓器転移をきたし,複数回の転移巣切除術が行われていることが多いが,長期生存例も報告されており,膵転移も根治性が得られれば積極的に手術をすべきと考えられた.
索引用語
pancreatic metastasis, rectal cancer
別刷請求先
貝沼 修 〒424-0114 清水市庵原町578-1 清水厚生病院外科
受理年月日
2001年10月31日
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