臨床経験
クリニカルパスにおけるバリアンス分析の有用性
関戸 仁, 永野 靖彦, 三浦 靖彦, 窪田 徹, 遠藤 格, 渡会 伸治, 嶋田 紘
横浜市立大学医学部第2外科
クリニカルパス(CP)におけるバリアンス分析の有用性を腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)のCPで検討した.対象:LC施行例のうち,CP適応のCP群(n=17)とCP導入前の5Pre-CP群(n=16).方法:両群について,在院日数,保険請求点数,患者満足度,医療従事者の評価を行い,CP群について,バリアンス分析を行った.結果:CP,Pre-CPの順に在院日数:10.4日,12.3日,術後在院日数:3.9日,5.6日,保険請求点数:61,950点,66,672点,1日当り:6,387点,5,619点.患者アンケートは87%が満足と回答し,医療従業者の評価も良好だった.バリアンスは18件発生し,初期の6例までに72.2%が発生した.患者に起因する8件中6件は術後の身体的理由で,他の2件は患者の希望だった.医療従事者に起因する10件はすべて卒後7~8年目の中堅医師がCPを無視して過剰に指示を出すことが原因だった.経験症例の増加により発生率は低下し,3例目以降はなくなった.
索引用語
clinical path, laparoscopic cholecystectomy, variance
別刷請求先
関戸 仁 〒236-0004 横浜市金沢区福浦3-9 横浜市立大学医学部第2外科
受理年月日
2001年10月31日
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