提言
インフォームドコンセントにおける変革 ―放射線感受性遺伝子プロジェクトを例に―
松井 芳文, 岩川 真由美, 大平 知佐, 李 玲華, 原田 良信, 今井 高志
放射線医学総合研究所フロンティア研究センター
ヒューマンゲノム・シークエンスの解読の完了と共に,遺伝的研究分野において不明な部分を解明する画期的ツールを得,自然科学研究はますます発展するものと考えられる.独立行政法人放射線医学総合研究所では,個人の体質に応じたオーダーメードな放射線治療を実現するため「放射線感受性遺伝子プロジェクト」を開始した.このプロジェクトを所内の「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理審査委員会」に研究計画およびインフォームドコンセントを申請し承認を受けた.自然科学研究を遂行するには,被検者およびその家族の人権の保護に対しての配慮が肝要であると同時に,研究者の研究に対する自由性をも守る必要性がある.提供者の人権保護,研究の自由性の確立,また,提供者の利益および不利益,解析結果の開示,知的財産権等の問題点を中心に変革を迫られているインフォームドコンセントの要点を解説した.
索引用語
informed consent, genetic reseach, bioethics
別刷請求先
松井 芳文 〒263-8555 千葉市稲毛区穴川4-9-1 独立行政法人放射線医学総合研究所フロンティア研究センター
受理年月日
2001年10月31日
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