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第35巻 第3号 2002年3月 [目次] [全文 ( PDF 49KB)]
原著

胃癌手術時洗浄腹水中CEA測定の意義

石井 芳正, 高橋 正泰, 中山 浩一, 堀田 稔, 松島 得好, 左雨 元樹

太田綜合病院附属太田西ノ内病院外科

 目的・方法:胃癌の再発は癌性腹膜炎が最も多くその潜在的な腹膜播種を早期に診断する目的で1997年7月より初発胃癌221例(stage Ia:105例,stage Ib:26例,stage II:37例,stage IIIa:21例,stage IIIb:14例,stage IV:18例)と腹膜再発21例について腹腔洗浄液中あるいは腹水中CEAの測定と細胞診を施行した.結果:1)腹水貯留を認める腹膜播種初発胃癌例および再発例(33例46検体)で細胞診陽性率は61.4%,腹水中CEA陽性率(>100ng/g protein)は91.3%であり(P<0.001),2)腹水貯留を認めない腹膜播種例(25例)では細胞診陽性率は35%であったのに対して,洗浄腹水中CEA陽性率は68%(P<0.05)で感度が高かった.3)H0 P0で漿膜浸潤陽性でかつリンパ節転移陽性例でcurability AおよびBの30例では細胞診陽性率は25%で洗浄腹水中CEA陽性率は62%であった(p<0.01).4)H0 P0 se n0の11例では細胞診陽性例はなく洗浄腹水中CEA陽性例は1例のみであった.5)H0 P0 m~ss n(+)例(48例)では細胞診陽性率は2.8%,洗浄腹水中CEA陽性率は18.8%(p<0.001)で,6)H0 P0 m~ss n0の125例では細胞診陽性例はなく洗浄腹水中CEA陽性例は1例(ss n0)のみでほぼ全例が陰性であり,しかも検出閾値以下であった.7)洗浄腹水・腹水中CEA値と血中CEA値との間に相関はみられなかった.8)比較的予後の期待できるstage II(35例)とstage IIIa(16例)での洗浄腹水中CEAの陽性・陰性での生存率における有意差はみられなかったが,洗浄腹水中CEA陽性群での死亡例は全例腹膜播種であった.結論:腹水および洗浄腹水中のCEAの測定は腹膜播種の確認や潜在的腹膜播種の早期発見,さらには早期治療に有用な指標になる可能性が示された.

索引用語
gastric cancer, CEA, peritoneal washing, peritoneal dissemination

日消外会誌 35: 253-258, 2002

別刷請求先
石井 芳正 〒963-8558 郡山市西ノ内2-5-20 太田西ノ内病院外科

受理年月日
2001年12月12日

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