症例報告
突出形態の術前診断が困難であった肝外発育型肝癌の2切除例
石橋 一慶, 緑川 武正, 菊地 浩彰, 前沢 浩司, 相田 邦彦, 根本 洋, 酒井 均, 高 用茂, 真田 裕, 熊田 馨
昭和大学藤が丘病院外科
術前診断が困難であった肝外発育型肝細胞癌の2例を経験した.症例1は77歳の女性.肝内側および前区域に埋没する直径約6cmの肝細胞癌と診断.肝予備能低下のためマイクロ波凝固壊死療法を予定し開腹手術を施行したところ,術前画像診断と異なり腫瘍は大部分を肝外に突出した肝外発育型の形態を呈していた.症例2は37歳の男性.S8に埋没する直径約3cmの肝細胞癌と診断.開腹手術を施行したところ,腫瘍は大部分を肝外に突出した肝外発育型形態を呈していた.2例とも腫瘍が切除され,現在も再発なく健在である.肝外発育型肝細胞癌の術前形態把握は切除可能性を大きく左右する重要な課題と考えられるが,これに関する報告はない.今回我々は,腹壁直下および横隔膜直下に存在する肝外発育型肝細胞癌症例の診断と,その治療選択に関し若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語
extrahepatically growing hepatocellular carcinoma
別刷請求先
石橋 一慶 〒227-8501 横浜市青葉区藤が丘1-30 昭和大学藤が丘病院外科
受理年月日
2001年12月12日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|