膵管胆道合流異常を伴った先天性胆道拡張症に合併した胆嚢papillomatous cholesterosisの1例

山内　希美, 宮田　知幸, 古澤　泰伸, 水谷　知央, 外山　真弘, 河合　寿一, 加藤　正夫, 宮下　剛彦^＊

岐阜県立下呂温泉病院外科, 同　病理^＊

　先天性胆道拡張症に胆嚢papillomatous cholesterosisを合併した1例を経験した．症例は76歳の男性．主訴は上腹部痛．肝胆道系酵素，CRPの上昇を認め，腹部超音波検査で胆嚢壁の肥厚，胆嚢内に多数の小隆起性病変を認めた．MRCPで上部胆管の拡張を認め，PTGBD造影で胆嚢管の嚢胞状拡張と下部胆管の狭窄を認めた．胆嚢内胆汁中のアミラーゼ値は17,097IU/lで，ERCPで膵管胆道合流異常を認めた．肝外胆道切除，肝管空腸Roux-Y吻合術を施行した．病理組織学的に胆嚢papillomatous cholesterosisと診断された．胆嚢papillomatous cholesterosisの報告例は自験例が第9例目で，先天性胆道拡張症を伴ったものでは第3例目とまれである．胆嚢papillomatous cholesterosisに胆嚢癌を合併した症例は認めなかったが，膵管胆道合流異常を合併する確率が高いことから胆道癌の合併を念頭に入れることは重要と思われた．

索引用語
anomalous arrangement of the pancreaticobiliary duct, congenital dilatation of the bile duct, papillomatous cholesterosis of the gallbladder

別刷請求先
山内　希美　〒509-2292　岐阜県益田郡下呂町幸田1162　岐阜県立下呂温泉病院外科

受理年月日
2001年12月12日

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