症例報告
原発性胆嚢管癌の2例
根本 明喜, 五嶋 博道, 吉峰 修時, 東口 高志, 池田 剛, 高木 馨子
尾鷲総合病院外科
症例1は67歳の男性で,黄疸にて入院.Endoscopic nasal biliary drainage tube造影で中部胆管右縁に約15mmの陰影欠損を認め,中部胆管癌の診断で2群リンパ節郭清を伴う胆嚢胆管切除,総肝管十二指腸吻合術を施行した.胆嚢管に1cmの結節浸潤型の腫瘤,胆嚢内には一部総胆管に達するムチンを認めた.組織学的には高分化型管状腺癌で,リンパ節転移は無かった.症例2は79歳の男性で,糖尿病にて経過観察中,腹部CTにて肝内胆管の拡張,左右肝内結石認め入院.内視鏡検査でVater乳頭部はカリフラワー状に腫大していた.乳頭部腫瘍,胆嚢管腫瘍,両側肝内結石の診断で2群リンパ節郭清を伴う膵頭十二指腸切除を施行し,総肝管断端より結石を摘出し,PTCS tubeを挿入し外瘻とした.乳頭部には3cm,胆嚢管から一部中部胆管には2.5cmの乳頭浸潤型の腫瘤を認め,組織学的には高分化型管状腺癌,進達度はそれぞれss,odで,1群リンパ節転移を認めた.
索引用語
primary cystic duct carcinoma, mucin, double cancer
別刷請求先
根本 明喜 〒519-3693 尾鷲市上野町5-25 尾鷲総合病院外科
受理年月日
2001年11月27日
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