症例報告
横行結腸穿孔を来したSLEの1例
井上 靖浩, 湊 栄治, 山本 隆行, 三木 誓雄, 楠 正人
三重大学第2外科
症例は24歳の女性.平成5年,systemic lupus erythematosus(以下,SLEと略記)と診断された.平成11年8月より,ループス腹膜炎の診断で内科入院,ステロイドパルス療法施されていたが病状は改善せず,消化管穿孔を来したため,緊急手術を施行した.手術所見では横行結腸に膿苔の付着する炎症性変化が見られ,同部に多発する小穿孔を認めた,壊死部を切除し,人工肛門造設術を行ったが,敗血症から離脱できず,術後約1か月で死亡した.SLEに伴う消化管穿孔は比較的まれであるが,予後不良であり,厳重な経過観察と病状の変化に合わせた適切な治療選択が大切と考えられた.
索引用語
SLE, perforation, steroid pulse therapy
別刷請求先
井上 靖浩 〒514-8507 津市江戸橋2-174 三重大学第2外科
受理年月日
2001年11月27日
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