有限責任中間法人日本消化器外科学会公式サイトへリンク 日本消化器外科学会雑誌 Online Journal
メインナビゲーションを飛ばす
ホームへリンク
最新号へリンク
既刊号へリンク
論文検索へリンク
投稿規定へリンク
編集委員会からへリンク
公式英文誌へリンク
購読のご案内へリンク
閲覧上のご注意へリンク
書誌情報 Japanese Englishページへリンク
第35巻 第4号 2002年4月 [目次] [全文 ( PDF 55KB)]
原著

早期肝細胞癌切除例の臨床病理学的検討と外科適応

首藤 太一, 広橋 一裕, 山本 隆嗣, 上西 崇弘, 田中 肖吾, 小川 雅生, 竹村 茂一, 田中 宏, 久保 正二, 木下 博明

大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科・肝胆膵外科学

 対象と方法:最近10年間の肝細胞癌(肝癌)切除387例中,腫瘍径2cm以下の小型肝癌82例を対象に,I.肝癌取扱い規約の定義に基づく早期肝癌20例(早期群)と残り非早期肝癌(非早期群)62例の臨床病理像を比較し,II.早期群の無再発生存率(TFS)向上に関与する因子について解析を行った.結果:I.両群の肝機能検査値に差はなかったが,早期群にHBs抗原陽性例はみられなかった.腫瘍径は早期群1.5cm,非早期群1.7cm(p<0.1).早期群の6例と非早期群の21例が多発肝癌と診断され,そのうち多中心性発生はそれぞれ5例(82%),6例(29%)であった(p<0.05).なお早期群に門脈内腫瘍栓はみられず,肝硬変,肝炎併存率に差はなかった.1,5年TFSでは早期群が良好であった(早期:非早期,100,57%:82,22%,p<0.05).一方,累積生存率では両群間に差はなく,両群とも死亡例の2/3は癌死であった.II.早期群のTFS向上には術前アルブミン高値,治癒切除(治癒度A,B)が関与していた.考察:早期群にはHBs抗原が検出されず,多中心性発生が多くみられた.非早期群に比べさらに小型で,門脈内腫瘍栓はみられず,TFSは良好であった.しかし再発後には非早期群と同様の転帰をたどり,そのadvantageが失われた.したがって早期群の成績向上には,長期無再発を期待しうる治癒切除(治癒度A,B)が必要であると考えられた.

索引用語
early hepatocellular carcinoma, hepatric resection, clinicopathologic features of hepatocellular carcinoma, surgical indication of hepatocellular carcinoma

日消外会誌 35: 362-368, 2002

別刷請求先
首藤 太一 〒545-8585 大阪市阿倍野区旭町1-4-3 大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科

受理年月日
2002年1月30日

ダウンロードサイトへリンク PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です
このページのトップへ戻る
メインナビゲーションへ戻る
Copyright © 日本消化器外科学会