原著
Dukes C結腸癌におけるリンパ節転移個数と予後との関連に関する検討
石田 秀之, 古河 洋, 龍田 眞行, 桝谷 誠三, 今村 博司, 清水 潤三, 増田 慎三, 江角 晃治, 川崎 高俊, 里見 隆
市立堺病院外科
はじめに:欧米では大腸癌の予後因子としてリンパ節の転移個数が重要視されている.方法:当院でのDukes C治癒切除(cur A)結腸癌144例を対象に予後因子について検討した.結果:5年生存率でみると,組織学的壁深達度,リンパ管侵襲,血管侵襲で有意差はみられなかった.また大腸癌取扱い規約のn1群(n=94,72.2%)とn2+n3群(n=45+5,66.2%)で有意差はみられなかった(p=0.74).リンパ節転移個数を2個以下(n=86)と3個以上(n=58)で分けた場合(80.7% vs 52.8%)(p=0.011),およびTNM分類である3個以下(n=104)と4個以上(n=40)で分けた場合(78.3% vs 46.7%)(p=0.022)に有意差がみられた.考察:リンパ節転移のある症例では転移個数が予後を決定する因子であった.大腸癌取扱い規約に予後因子として転移個数をとり入れるのが良いと考える.
索引用語
colon cancer, TNM classification, Japanese Classification of Colorectal Carcinoma
別刷請求先
石田 秀之 〒590-0064 堺市南安井町1-1-1 市立堺病院外科
受理年月日
2001年12月21日
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