症例報告
吻合部下流側に異型上皮を伴った胆管十二指腸吻合部胆管狭窄の1例
金澤 英俊, 木村 桂子, 日江井 賢, 鳥本 雄二, 江畑 智希*, 小田 高司*, 神谷 順一*
三菱名古屋病院外科, 名古屋大学大学院器官調節外科*
症例は,上腹部痛を主訴とする61歳の男性である.24年前,胆石・総胆管結石のため胆嚢摘出術・総胆管十二指腸側々吻合術を受けた.画像診断の結果,吻合部直上の総胆管狭窄と診断し,胆管切除,胆管空腸吻合術を施行した.切除した胆管は30mmで,病理組織学的に,胆管壁の慢性炎症所見と線維性肥厚を認め,異型上皮を伴った胆管上皮,付属腺の過形成を吻合部下流側に認めた.総胆管十二指腸吻合術や乳頭括約筋形成術などの術後には,腸内細菌,食物残渣,膵液が胆管内に流入する.こうした機械的,化学的刺激が異型上皮の発生に関与したものと考える.
索引用語
choledochoduodenostomy, dysplasia
別刷請求先
金澤 英俊 〒466-8550 名古屋市昭和区鶴舞町65 名古屋大学大学院器官調節外科
受理年月日
2001年12月12日
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