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第35巻 第5号 2002年5月 [目次] [全文 ( PDF 110KB)]
症例報告

肝細胞癌の縦隔リンパ節転移巣が食道内に穿破した1例

塩谷 猛, 田中 洋一, 坂本 裕彦, 大倉 康男, 関根 毅

埼玉県立がんセンター腹部外科, 同 臨床病理部

 症例は47歳の男性.1993年肝S8区域に5×5cm大の腫瘍を認め前区域切除を行った.病理診断は中分化型肝細胞癌であった.1年後AFPが上昇し,残肝再発腫瘍に対し肝動脈塞栓術を2回施行したところ1995年3月吐血を来たし,食道に8cm大の巨大潰瘍を認め,縦隔リンパ節の食道穿破によるものと診断した.縦隔照射(総量59.4Gy)を行い,いったんAFPは下降したが再上昇し,食道瘻の治癒も期待できず右開胸・開腹・頸部切開にて食道亜全摘術を施行した.気管分岐部リンパ節が食道に穿通し,心膜,胸管に浸潤していた.組織学的に前回の肝癌と一致した.肝細胞癌の胸郭内転移は,肺転移の頻度が高く縦隔リンパ節転移頻度は低い.さらに,転移リンパ節が食道に穿破し,切除しえた報告例はない.今回の経験から,肝細胞癌の縦隔リンパ節転移に対して放射線治療がある程度有効であり,また局所的根治およびQOL改善を目的として縦隔臓器合併切除をも考慮に入れた外科切除が有効な治療となりうることを示した.

索引用語
hepatocellular carcinoma, mediastinal lymph node metastasis

日消外会誌 35: 492-496, 2002

別刷請求先
塩谷 猛 〒211-8533 川崎市中原区小杉町1-396 日本医科大学第二病院・消化器病センター

受理年月日
2002年2月27日

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