十二指腸原発gastrointestinal stromal tumorの1例

和田　靖, 土田　忍, 山内　聡, 熊田　哲, 佐藤　俊, 篠田　雅央, 川口　信哉, 阿部　道夫, 浅野　重之^＊, 新谷　史明

いわき市立総合磐城共立病院外科, 同　病理科^＊

　症例は57歳の男性．タール便および嘔気・心窩部痛を主訴に受診．意識混濁がみられたため緊急内視鏡検査を施行したところ，十二指腸第3部に出血性潰瘍を伴う粘膜下腫瘍が認められた．CT上，腫瘍径は5cm，充実性で境界明瞭であり，血管造影で腫瘍濃染像が認められた．平滑筋腫瘍の診断にて十二指腸部分切除術を施行した．病理組織学的には紡錘形細胞が索状に交錯し増殖した像で，核分裂像は400倍率10視野で2～3個認められた．免疫組織学的には，S-100蛋白陽性，actin弱陽性，desmin陰性，CD34陽性，KIT陽性であり，Cajal細胞由来のcombined smooth muscle neural typeのstromal tumorと診断された．

索引用語
gastrointestinal stromal tumor, c-kit, CD34

別刷請求先
和田　靖　〒080-0014　帯広市西4条南15-17-3　帯広第一病院

受理年月日
2002年1月30日

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