症例報告
肝切除後9年経過し孤立性に腹腔内リンパ節転移を来した硬化型肝細胞癌の1例
小池 伸定, 鈴木 修司, 今里 雅之, 田中 精一, 林 恒男, 鈴木 衛, 羽生 富士夫, 山本 雅一*
八王子消化器病院外科, 東京女子医科大附属消化器病センター外科*
症例は59歳の男性.1991年肝細胞癌の診断で7月肝外側切除術を施行.切除標本は4×3cmの単結節型で,病理組織学的所見は硬化型肝細胞癌,EdI+II,IV,fc(-),sf(-),vp0,vv0,b1,tw(-),im1,z1であった.1996年より外来経過観察中,血清AFPの上昇を認め,2000年4月腹部CT検査で左胃動脈幹に約5cmのリンパ節腫大あり,血管造影で左胃動脈より腫瘍濃染像を認め,残肝再発なく,肝細胞癌の腹腔内リンパ節転移の診断で,2000年7月リンパ節摘出術を施行した.硬化型細胞癌で肝切除後9年を経過して,残肝再発なく孤立性にリンパ節再発をきたし,これを切除しえた1例を経験した.
索引用語
sclerosing hepatic carcinoma, lymph node metastasis of hepatocellular carcinoma, hepatic resection
別刷請求先
小池 伸定 〒192-0904 八王子市子安町3-18-1 八王子消化器病院外科
受理年月日
2002年2月27日
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