胆嚢原発平滑筋肉腫と早期胃癌の同時性重複癌の1例

石井　辰明, 渡辺　和彦, 金　仁洙, 室　雅彦, 宇田　憲司, 井谷　史嗣, 金子　晃久, 佐々木　寛, 高橋　聖之^＊, 成末　允勇

福山市市民病院外科, 岡山大学医学部保健学科^＊

　胆嚢原発の平滑筋肉腫はまれでありこれまで英文21例，邦文31例の文献報告を見るに過ぎない．胃癌との同時性重複癌は我々が検索した範囲では本症例が初めてである．症例は80歳，女性で主訴は右季肋部痛．術前検査にて胆嚢内に結石と，胆嚢底部に腫瘤を認めた．MRI検査では周囲筋組織と比較しT1強調像にて等信号，T2強調像にて高信号に描出され胆嚢癌を疑った．また，胃下部小彎に早期胃癌を合併しており，開腹下幽門側胃切除術と肝床合併切除を伴う胆嚢摘出術，リンパ節郭清を施行した．病理組織学的検索にて早期胃癌を合併した胆嚢原発の平滑筋肉腫と診断した．術後1年9か月の現在再発は認めていない．

索引用語
liomyosarcoma, gallbladder, gastric cancer

別刷請求先
石井　辰明　〒721-8511　福山市蔵王町5-23-1　福山市市民病院外科

受理年月日
2002年1月30日

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