経皮経肝胆道ドレナージ経路に播種性転移をきたした胆嚢癌の1例

坂東　正, 遠藤　暢人, 五箇　猛一, 津田　祐子, 貫井　裕次, 霜田　光義, 塚田　一博

富山医科薬科大学医学部第2外科

　経皮経肝胆道ドレナージ経路に転移再発をきたし，外科切除を含めた集学的治療を施行した胆嚢癌の1例を経験したので報告する．症例は55歳の女性．黄疸を主訴に近医入院し，PTCDが施行され，手術目的に当科紹介となった．胆嚢癌と診断し，肝床合併胆嚢切除，肝門部および肝外胆管切除，リンパ節郭清術を施行した．切除標本病理所見は高分化型腺癌でhm1，em2，t4，n0，H0，P0，M（－）総合的進行度はstage IVaであった．術後体外分割照射40GyおよびCDDP，5FUの化学療法を施行中，右前区域胆道ドレナージチューブの周囲皮下に転移再発が出現し，局所麻酔下に切除を行った．本形式の転移の可能性を念頭に置き，早期の発見と積極的な切除が有効な治療手段であると考えられた．

索引用語
cancer of the gallbladder, percutaneous transhepatic cholangio drainage, disseminated metastasis

別刷請求先
坂東　正　〒930-0194　富山市杉谷2630　富山医科薬科大学医学部第二外科学教室

受理年月日
2002年1月30日

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