臨床経験
総胆管切開切石術におけるCチューブの有用性の検討
川崎 亮輔1)2), 森田 高行1), 藤田 美芳1), 宮坂 祐司1), 仙丸 直人1)2), 加藤 紘之2)
北海道消化器科病院外科1), 北海道大学大学院腫瘍外科2)
経胆嚢管的ドレナージチューブ(以下,Cチューブと略記)の有用性を検討するため,合併症,チューブ留置期間につきTチューブと比較検討を行った.対象は総胆管結石症例110例で,Tチューブドレナージ施行例,Cチューブドレナージ施行例ともに55例である.結果としてチューブ抜去後の限局性腹膜炎はTチューブ群の10例(18.2%)に対し,Cチューブ群では1例も認められなかった(p<0.01).チューブ留置期間はTチューブ群で平均24.2日,Cチューブ群で平均6.2日とCチューブ群で有意に短かった(p<0.01).遺残結石はTチューブ群では2例(3.6%)に認められたが,いずれも内視鏡的に治療せしめた.Cチューブ群では現在のところ1例も経験していない.以上よりCチューブは抜去後の胆汁漏が少ないという点で安全であり,かつドレナージ期間短縮につながる有用な方法であると考えられた.
索引用語
choledocholithiasis, choledocholithotomy, C-tube
別刷請求先
川崎 亮輔 〒060-8638 札幌市北区北15条西7丁目 北海道大学大学院腫瘍外科
受理年月日
2002年2月27日
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