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第35巻 第6号 2002年6月 [目次] [全文 ( PDF 139KB)]
原著

膵癌におけるInterleukin-1αによるインテグリン発現の増強と転移能の関係

沢井 博純, 山本 稔, 舟橋 整, 佐藤 幹則, 岡田 祐二, 早川 哲史, 田中 守嗣, 赤毛 義実, 竹山 廣光, 真辺 忠夫

名古屋市立大学医学部第1外科

 はじめに:癌の浸潤・転移において,癌細胞の細胞外マトリックス(ECM)への接着は重要なOne stepである.今回,膵癌の転移機構を解明する目的で,膵癌細胞のインテグリン発現と,IL-1αによる発現変化,およびECMへの接着能変化を検討した.方法:膵癌細胞のインテグリン,IL-1RI発現をflow-cytometric analysisにて,IL-1αによるインテグリン発現変化をCellular-ELISA法にて検索した.また,IL-1α刺激によるインテグリン発現増強が,膵癌細胞のECMへの接着能にどう影響しているかについても検討した.結果:IL-1α刺激により,膵癌細胞におけるインテグリンα6β1発現が増強し,そのリガンドであるlamininに対する接着・浸潤能も増強した.考察:膵癌細胞において,IL-1RIを介するIL-1α刺激でインテグリンα6β1発現が増強し,肝転移能・浸潤能が亢進している可能性が示唆された.

索引用語
adhesion molecules, Interleukin-1α, metastasis, pancreatic cancer, integrin

日消外会誌 35: 582-589, 2002

別刷請求先
沢井 博純 〒467-8601 名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1 名古屋市立大学医学部第1外科

受理年月日
2002年2月27日

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